あなたは「生協の白石さん」という本が2000年代半ばに静かに流行ったことをご存知でしょうか。しかもまだインターネット黎明期、ADSLなどネットの常時接続の駆け出しの頃にあっては、この本の主人公が著名な方ではないのに流行った奇跡でした。(ただ、きっかけもまたインターネットでしたが。)
この本はシンプルで読みやすいです。なぜなら、
大学内の生協(コンビニ)の販売員である白石さんの、
「ひとことカード」という生協へのご意見・ご要望を投じる学生さんたちへの返答集
が連なる本になります。
学生
モビルスーツおいてください。
白石さん
平和の維持を願う思い、当生協も持ち続けています。聞いたところモビルスーツは兵器のようなものとの事、生協としてはお断りせざるを得ません。
世情が変わり他の店で置き始めたとしても、当店は常に武装解除してお客様と向き合いたいものです。
自分も身に覚えがありまくりのいたずらなご意見書の数々に対し、
一つひとつ丁寧に、
ユーモアで機知に富んでいて、
かつ優しさに包まれていて、
そして誰も傷つけていない白石さんの切り返しの数々…。
クスッと笑えて、その時々の嫌なことを少しだけ忘れさせてくれて、
世の中にはこんなにすごい人がいるんだなぁと ちょっとした感動も味わえて
心温まる一冊です。
古い本(2005年)なので2021年現時点だと、セピア色に古くなった記事の内容(プロ野球の土橋選手とか。その当時でもベテランのいぶし銀の活躍した。)もありますが、白石さんの優しさは色褪せません。
心休まりたい時に是非!